こんにちは。お元気ですか?
セイブンです。
「ウルトラセイブン!」のセイブンです。
さて、今回のメルマガの記事は....
前回のメルマガ「ヴェルヴェット・アンダーグラウンド」の記事の最後でも予告しました。
そのメルマガ執筆中に、自然に決まりましたからネ。
そのバンド「ヴェルヴェット・アンダーグラウンド」の中心人物はルー・リードという人でした。
今回のメルマガの記事は、その彼、ルー・リードについてです。
そして極力、ヴェルヴェット・アンダーグラウンド解散後の、一個人としての彼について書きます。
バンドの事は前回のメルマガで、もうタップリ書きましたからネ。
さて、ずいぶん昔の話になりますが....
僕はまだ日本に住んでいました。
今でこそ20年もアメリカで生活している僕ですが、そんな未来は以前には想像した事さえもありませんでした。
でも高校時代のクラスメートで、高校卒業後にアメリカに留学した友人達がふたり、いたんですね。
ひとりは実はミュージシャン志望で、ギターの入ったケースを背負ってニュー・ヨークに。
英語留学だったんじゃないかと思います。
もうひとりは普通に大学で勉強するつもりで留学し、オレゴンに。
そのオレゴンに行った方が、僕にルー・リードのソロアルバム「Mistrial」を送ってくれました。
カセットテープのアルバムです。
ミュージシャンのアルバムというのはその頃まだ、ヴィニール盤のレコードだけでなく、カセットテープでも売っていたんですね。
僕がルー・リードが好きだという事、彼は知っていたんですよ。
当時の僕は、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドは大好きでも、ルー・リードのソロアルバムというのは余り評価していなかったと思います。
でも、その友人がわざわざ買ってアメリカから送ってくれたのがうれしくて、聴き始めました。
そして結局、聴き込みました。
もう繰り返し繰り返し、そのカセットアルバムを聴きました。
友人が送ってくれたのは、仕様が何もかもLPアルバムと同じ、そのカセットテープのアルバム。
小さいながらも、ちゃんとジャケット写真まで入っている。中には小さな字で歌詞がビッシリ。
それをマスターテープにして、さらに別のカセットテープにダビングしてから何度も聴きました。
そうやってダビングして、その自家録音テープを繰り返し聴く。
その様にしていれば、そのテープがノビて音質が劣化してしまっても、マスターテープは新品同様のまま。
劣化したテープはゴミ箱に。
その同じアルバムをもっと聴きたかったら、そのマスターテープから別のテープにダビングして、さらにもっと聴けばいい...。そう思ってネ。
そうやって、かなり聴き込みましたよ。
そのおかげで、今でも頭の中で音が聞こえる。
例えば、タイトル曲のMistreal。
あるいはアルバム中の、どの曲でも。
そのタイトルを思うだけで、頭の中で曲が鳴り出す。
まるで、オーディオ機器で再生しているのを実際に聴いているみたいに。
それはもう、本当によく聴いた。
僕がルー・リードのソロアルバムを聴く様になったのは、そこから。
でもルー・リードのソロの歌っていうのは、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの歌とは全然違うんです。
ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの音楽については、前回のメルマガで書きました。
それは暴力的であると同時に、知性的で内面的。傷つきやすくて壊れやすい、繊細な感受性の表現でした。
そのヴェルヴェット・アンダーグラウンドの解散後、ソロになったルー・リードが書き、歌う歌。
それはもっと外向き・社会的で、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの様に「そこだけで完結した世界」という空気はありません。
ニュース性に富んでいる...というか。
そこら辺にある様な日常生活的な事を題材にして、「昨日、こんな事があったんだゼ...」みたいに、ある意味で日記風に歌っている。
かつてのバンド時代の歌より、もっと開かれた感じの歌。
それが、ルー・リードの歌です。
オレゴン留学中の友人が送ってくれた「Mistreal」以外にも、「Berlin」「Blue Mask」「New Sensation」「New York」などの他のアルバムも聴きました。
この「Berlin」というのは、彼のソロアルバムの中でも非常に評価の高いアルバムなのですが、僕自身は余りいいとは思いません。
それよりも、当時の住居の近くでたまたま中古で売っていたのを見つけて買った「New Sensation」というアルバムが僕は好きです。
これはその、友人が送ってくれたアルバムの前作となるアルバムです。
アルバム全体の感じがどことなくゆったりとしていて、曲もいいので、僕は気に入っていました。
「Blue Mask」という、スタジオ・ライヴみたいな感じのアルバムも、心に残っています。
そのずっと後、近年になってYoutubeで「Crazy Feeling」という曲を聴きました。これも、なかなか良かったです。
たった今思いついたのですが、このメルマガを書き終わったら、その曲の入っているアルバム「Coney Island Baby」の全曲を聴こうと思います。
ヴェルヴェット・アンダーグラウンド結成以来、長年に渡って音楽活動を続けて来たルー・リード。
厳密にはバンド結成前から、多少の音楽活動はしていた様です。
Youtubeでもその頃の音源を聴けますが、大した内容ではないみたいなので、ここでは触れません。
ご興味のある方はどうぞ、Youtubeでチェックして見て下さい。
僕にとってルー・リードはヴェルヴェット・アンダーグラウンドのルー・リードであり、同バンド解散以降のルー・リードです。
ファースト・アルバムが製作・発売されたのが、1967年の事。
彼はそれ以来、何と50年以上も音楽活動を続けて来たのです。
曲を書き、ステージで歌い、演奏し、スタジオで曲を録音し、数々のレコードを製作して来ました。
けれども今から2年前の2023年に、病気で死んでしまいました。
どれほどに悲しかった事か...。
今でも信じられない思いでいます。
彼が書き、歌う歌に、僕はどれだけ感動させられ続けて来たか...。
けれどもルー・リードというのは、とても変な人でもありました。
彼の最後の作品=遺作となったアルバム「Hudson River Wind Meditations」。
一体何だ、コリャ?
アルバムの収録時間はだいたい1時間位なのですが、シンセサイザーの変な音が「ビヨーン」とか「キーン、カーン」と鳴っているだけ。
.....これが.....遺作???
でも多分、ふざけてつくった訳ではない。
だからかえって始末が悪い(笑)。
どういうつもりで、こんな妙なアルバムをつくったのか。
つくった本人が死んでしまったので、もう誰にもわからない。
本人としては、そこに込めた思いが何かあったのだとは思いますが...。
ルー・リードというのは、生前から、人に理解できない様な奇妙な事を大真面目でやる人でした。
1975年に製作・発表された「Metal Machine Music」というアルバムがあります。
コレが又、たった今ご紹介した変なアルバム「Hudson River Wind Meditations」以上に訳のわからない、不可解なアルバムでした。
少なくとも音楽的には、一般の人々には全く理解されなかった。
イヤ、音楽だとさえ思われなかった。ただの狂気じみた雑音だ...と。
アルバム全編、「グワングワングワン」とか「ピギャギャギャギャー」という様な、エレキギターのノイズのオンパレード。
しかもこれが、2枚組アルバム(笑)。
そういう変な事・バカな事を、大真面目でやる。それもルー・リードという人の一面でした。
そしてそれが又、大きな魅力のひとつでもあったろうと思います。
/ まだこのメルマガを執筆している途中ですが、さっそくお話できる新しい情報を入手しました。
先ほどご紹介した最後の遺作アルバム「Hudson River Wind Meditations」は、太極拳の練習をする為につくったそうです。
それに合わせて、身体を動かす様に。
なるほど、それでしっくり来ました。
ルー・リードという人は、40年以上も太極拳を練習していましたからネ。
レン先生という人に師事して、ずっと学んでいました。
それもすごく、ルー・リードっぽい。やっぱり、変わってる。
何だか書いていて自分でも、すごくしんみりとしてしまいました。
という訳で、今日のメルマガは「ルー・リードの事」と題してお届けしました。
前回のメルマガのタイトルは「ヴェルヴェット・アンダーグラウンド」。
今回は「ルー・リードの事」。
どちらもシンプルなタイトルで、二部作みたいな感じになりましたネ。
最後まで読んで下さって、本当にありがとうございました。
心から感謝しています。
それでは、又すぐに書きますネ。
お元気で。さようなら。
ウルトラセイブン!のセイブンでした。
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