ヴェルヴェット・アンダーグラウンド.

目安時間 14分
お元気ですか?セイブンです。

「ウルトラセイブン!」のセイブンです。

ハイ、又お会いしましたネ。

それじゃア映画評論家の淀川長治だ(笑)。それはいいとして....。

今日もメルマガをお届けします。

玄関先に置いとくんで、盗まれない様に気をつけて下さいね。

ナマ物ですから、早目に食べてネ。

アアそれと、配達票にサインを....

....なんて又アホな事ばかりやってないで、メルマガいきましょう!

今日のメルマガは、前回のメルマガ「ミュージシャンは僕の心の友」でも少しご紹介した、アメリカのバンド。ヴェルヴェット・アンダーグラウンドについての記事です。

ミュージシャンは僕の心の友。

特にルー・リードみたいな人が、まさにそうだ...と書きました。

(ルー・リード=ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの中心人物.)

前回のメルマガの終わりでネ。

ほんの少し前に、そのメルマガを書き終えて配信したばかりです。

なので、そこで盛り上がった感動的な気持ちがまだ心にあって、このバンドの名前を今思っただけで、僕は胸がいっぱいになっています。

ヴェルヴェット・アンダーグラウンド。

僕にとっては、忘れる事なんか到底できない名前です。

決して出来ない。絶対に出来ない。

僕がこのグループの曲を最初に聴いたのは、高校2年の時でした。

「Heroin」という曲。ファーストアルバムに入っている曲です。

その当時はラジオの音楽番組を聴きながら、それをテープレコーダーで録音するのがしょっちゅうでした。

このラジオ放送の時も録音していて、放送中に一回聴いてから、録音で何度も何度も聴きました。

そして結局、その曲が入っているレコードを求めてレコード店に。

目当てのレコードを見つけて購入。

レコード帯には確か、「ずっと廃盤だったこのアルバムが再発になりました」という意味の事が書いてあったと記憶しています。

ただし、この記憶は全然あてになりません(笑)。その情報はヨソからだった気もしますので。

すでに書きましたが、それはこのバンドのファースト・アルバムでした。

アルバムのタイトルは「The Velvet Underground And Nico」。

この「Nico」というのは女性シンガーの名前で、マア言って見ればゲスト・ヴォーカルです。

彼女はこのバンドのレコードでは、このファースト・アルバムだけで数曲、歌っています。

ドイツ出身で、このバンドで歌うまではファッションモデルでした。

このバンドから離れた後は、ソロ歌手として活動しました。

彼女の歌う「I’ll Be Your Mirror」という曲が、僕は大好きでした。今でも大好きです。

このファースト・アルバムで曲を聴いて覚えて、その後の人生で何百回歌ったかわかりません。

聴衆に向かって、ピアノを弾きながら歌う事もしょっちゅうでした。

彼女はゲスト・ヴォーカル...と先に書きましたが、それとはちょっとニュアンスが違うんでしょうネ。

バンドのメンバー達とは区別されるけれども、レコードデビュー当時のバンドにとって、なくてはならない存在。それが彼女です。

ツアーにも同行して歌っています。

このファースト・アルバムでは、彼女は全部で3曲、リード・ヴォーカルで歌っていますが、そのどれもが素晴らしい曲です。

同アルバムの残りの曲は全部、このバンドの中心人物であるルー・リードが歌っています。

Nicoが歌っている3曲も、曲を書いたのはルー・リードです。

このルー・リードの歌が又、いいんです。

反逆的なふてぶてしい態度と、モロくて壊れやすい繊細さ・ロマンティシズムが同じパーソナリティに、同時に宿っている...みたいな。

このファースト・アルバムは、僕の生き方を変えました。

僕を変えたこのアルバムのインパクトというのは、言葉にするのがどうしても不可能なのですが。

そのアルバムを通して、僕が生きる事のできる世界観を知った...とでも言えばいいのでしょうか。

それまでには全然知らなかった、新しい世界観を。

その世界観というのは、アメリカに住んでいる今になって思えば、ある意味でとても、アメリカ的なものだったナ....と思います。

その当時はアメリカなんて行った事もなかったし、行きたい気持ちもなかったのですが。

ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのセカンド・アルバムというのは、雰囲気がファースト・アルバムとかなり違います。

もっとスタジオ・ライヴみたいな感じで、バンドとしてやりたい様にのびのびと自由にやっている。

彼ら流に、思い切りロックっぽい。ジャカジャカドカドカやってる。

そして、サード・アルバム。

僕、このアルバムも大好きです。

一番ポップで、聴きやすいという事もあるけど、それだけじゃない。

独自の味、独特の良さがある。

「Jesus」という曲が、素晴らしいです。

Jesusっていうと、要するにイエス・キリストの事なんですネ。

日本語で「イエス」と発音している同じ言葉が、英語圏では「ジーザス」となる。

ちなみにスペイン語圏ではこの同じ言葉が「ヘスース」となります。ここでは関係ありませんが。

興味深いのは、この曲を書いて歌っているルー・リード自身は、一生キリスト教とは縁のなかった人なんです。

そのルー・リードが、こんな言葉をメロディーにして歌っている。


ジーザス、僕の居場所を見つけてくれ

ジーザス、僕の居場所を見つけてくれ

僕の弱さをわかって助けてくれ

ダメになってしまいそうなんだ

(The Velvet Underground “Jesus”.  日本語訳・セイブン)

歌詞は、たったこれだけです。

これで全文なんですが.....

これが、グッと来るんですよ。

宗教的な形式とか教義とかは、全部すっ飛ばし。「イエスよ...」という祈りの形を借りて、ひとりの人間としての弱さ、切実な思いを露わにして、さらけ出している。

祈りって、本来こういうものなんだナ...と、心から感動しました。

さて、このアルバムの中で、最もよく知られている曲が、Pale Blue Eyesでしょう。

僕はこの曲も、大好きです。

ただ、この人が書き、歌う歌というのは、何かものすごくデリケートなニュアンスを持っていて、どんなに聴き込んでも、僕はその良さを言葉にする事ができない。

この曲Pale Blue Eyesもそうです。けだるい様な雰囲気の中で、やるせない様な言葉が綴られていく。静かに。淡々と。哀しく。

“I’m Set Free”これも、名曲です。でもこの曲も又々、何とも言えないニュアンスの表現。

これこれこういう事を歌っているんですヨ...という様な要約が、メチャクチャしにくい。それはもう不可能な位に、説明しにくい。

ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの歌は、どれを取ってもそうですね。「白黒ハッキリさせようゼ」みたいな、ストレートな心情表現がない。

どっちつかずで、「こうだ」と断定をせず、両極の間をさまよう...みたいな。

それが多分、このバンドの音楽が「僕の生き方を変えた」理由なのかナ...と思いました。たった今。

僕、それまでは典型的な「白黒ハッキリさせようゼ」人間でしたからネ。

究極「白」と究極「黒」の間に限りなく広がっている灰色の領域。グレイ・ゾーン。

究極「白」と究極「黒」の間のどこを見るかによって、白と黒の、ふたつの色の割合も全く違う。

「黒」極に近づけば近づくほど、灰色は灰色でも、黒っぽい灰色。

その逆に「白」極に近づけば近づくほど、灰色は灰色でも、白っぽい灰色。

その、白色と黒色の割合が限りなく違う灰色のグラデーションの無限段階を、右に左にさまよい、たゆとうのが、ヴェルヴェットアンダーグラウンドの音楽です。

コレ、通じているかどうか自信がありません。僕の説明の言葉。

でもルー・リードという人は、それを意図的にやっているんだと思います。

別の言い方をすれば、こんな感じ。

「コレが正しい!ハイおしまい!」ではなく、「コレは間違いだ!ハイおしまい!」でもない。

その間にある、正しいとも間違いともつかない、リアリティの世界。

否定も肯定もされず、すべてがただ存在している世界。

その、あるものがそのままある世界をあるがままに見て、それをそのままで、客観的にただ表現しようとしたのが彼、ルー・リード。

そして彼ら、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドだったんだと思います。

今こんな事を思うんですネ、僕。

そんなにすべてがすべて、「マル」か「バツ」のどちらかで片づけられますか?

僕達の多く、僕達のほとんどはそれをしている。見るもの聞くもの知るものひとつひとつに、マルかバツのどちらかをつけている。

でも事実の世界・リアリティーの世界には、マルもバツもない。

「マル」「バツ」っていうのは単なる僕達の見方・判断ですからネ。

それを越えた世界をルー・リードは音楽で表現しようとした。

少なくとも僕にとっては、その様に感じられるんですね。

さて、それでは又、彼らのレコード=アルバムの話に戻ります。

バンドが解散したずっと後に発表された2枚のアルバムの事は、このメルマガの前の方でご紹介しました。

この2枚のアルバムというのが、又ものすごくいいんですヨ。

でもコレ、ちょっと考えて見て下さい。

サッパリ売れなくて結局、解散しちゃったバンドですよ。彼ら。

そんなバンドの未発表音源なんて、普通だったら、モロにクズ。

クズもクズ、ゴミもいいところですよ。聴けたもんじゃない。

だいたいそんなもの、まずレコードになる事もないでしょうけど、なったって、ロクなもんじゃない。

....なんて書いてて、僕は訳あって胸がいっぱいになりました。

グッと来ちゃって、涙腺ゆるんじゃって。涙目です。本当に。

音楽ファンってそういうものです。バンドにもその音楽にも、個人的な思い入れがいっぱいでネ。

そんな僕が、声を大にして言いたい。世界中に向かって。

未発表音源を集めた、このバンドの2枚のアルバム。

朝の光で水面がキラキラ輝く様な、珠玉の名曲がいくつもある。

こんな名曲の数々が長年お蔵入りで、危うく陽の目を見ないで終わるところだったなんて。

“Stephanie Says.” “I’m Sticking With You.” “Ride Into The Sun.”
“We’re Gonna Have A Real Good Time Together.” “ I Can’t Stand It.” “The Temptation Inside Your Heart.” 

もう、曲名を思い出すだけでジーンと来る。そんな名曲がズラリ。

と書いたところで、このメルマガの執筆者である僕は「サテ、このメルマガ、ここまでの文字数はどの位かな?」と思う訳です。

でチェックして見たら、だいたい5千字くらいでした。ここまで。

でももっと書きたい。書く事がいっぱいある。いくらでもある。

ソリャそうです。子供の頃からずっと、うれしい時も悲しい時も楽しい時も、いつだって彼らの音楽が心にあったんですから。

僕はずっと、このバンドの音楽を胸に抱きながら生きて来た。

好きな歌は口ずさみ、ピアノやギターを弾きながら人前で歌ってもいた。

だから過去のどの時にも、彼らの歌の思い出がいっぱいです。

このバンド、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドだけではなくて、その中心人物であったルー・リードのソロ・アルバムにも僕は思い出がいっぱいあります。

でも今思いついたんですけど、それについては単独のテーマで、次のメルマガで書こうと思います。

という訳で、今回のメルマガのタイトル/テーマは「ヴェルヴェット・アンダーグラウンド」でした。

書いていて胸が熱くなりました。

今もまだ熱いままで終わります。

今回も最後まで読んで下さって、本当にありがとうございました。

じゃあ、又すぐに書きますね。

どうぞお元気でいて下さい。

それではさようなら。

ウルトラセイブン!のセイブンでした。

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