お元気ですか?こんにちは。
セイブンです。「ウルトラセイブン!」のセイブンです。
いつも僕のメルマガを読んで下さって、ありがとうございます。
さて、今日のメルマガの記事は?
今日のメルマガの記事は、ブルース・リー。彼についてです。
ブルース・リーと言えば...
そうです。映画「燃えよドラゴン」で一躍、世界的に人気を博して有名になった彼の事です。
世界一強い男。ブルース・リー。
もっとも「燃えよドラゴン」が公開された時には、ブルース・リーはすでに死んでいました。
でも残された主演映画を通して、彼は世界中の人々に愛され慕われる様になりました。
僕ももちろん、そのひとりです。
僕はブルース・リーの事を、兄貴か何かの様に思って生きて来ました。
彼から多くを学んでも来ました。
「マア、セイブンさん!あのブルース・リーから多くを学んだ...という事は、空手か何か、拳法をやっていたのねセイブンさん!ちっとも知らなかったワ!」
違います!全然やってません!
僕が知ってる拳法は、日本国拳法だけです(笑)!
日本国拳法・第X条、我々日本国民は平和を愛し、よりよい社会を築く為に力を尽くす事を誓うものである....アレ?それも違うナ。
(「憲」法じゃない!「拳」法だ!)
おふざけはこの位にして.....。
僕は単に拳法をやらないどころか、スポーツ自体、一切やらない男です。
運動はしますよ。何時間でも平気で歩きます。でも、それだけ。
拳法だろうがスポーツだろうが、技術を学ぶ様な事は全然しません。
じゃア「ブルース・リーから多くを学んだ」っていうのは何かというと....それは哲学・精神学です。
知ってましたか?
映画のスクリーンやヴィデオ画面上で鮮やかに繰り広げられる、ブルース・リーのあの驚異の拳法。
それは、実は深い哲理に裏打ちされていた...という事を。
その事は、先ほど書いた彼の代表的な主演映画「燃えよドラゴン」を観てもよくわかります。
映画の冒頭で、老師が主人公の青年(ブルース・リー)に言います。
"The enemy has only images and illusions behind which he hides his true motives. Destroy the image, and you will break the enemy."
敵はその本性を、おどろおどろしいイメージの後ろに隠している。そのイメージを壊せ。そうすれば等身大の敵を倒す事ができる。
(映画「燃えよドラゴン」より。日本語訳・セイブン)
映画の最後にブルース・リーが悪の親玉と対決するシーンで、この言葉は敵を倒す為のインスピレーションとして、主人公の心の中でリフレインされます。
たった今ご紹介したこの言葉も含めて、この映画には精神的・哲学的な教えがたくさん盛り込まれています。
冒頭で交わされる老師との対話だけではなく、物語のもう少し後には主人公と少年との哲学的なやりとりもあります。
さらにはブルース・リーならではの、ユーモアに富んだこんなシーンもあります。
拳法の腕を鼻にかけ、力を誇示する為に弱い者いじめをする男。
その男がわざとブルース・リーのすぐそばでこぶしを宙に突き出して空振りをし、挑戦します。
「体力の無駄遣いをするなヨ」という主人公の言葉に耳を貸さず、「オマエの流派は?」と問う男。
「“闘わずして闘う流”だヨ!」とおかしな事を言う主人公に、男が「見せてみろ!」と求めます。
「あとでネ...」と言って、気にせずに立ち去ろうとする主人公(ブルース・リー)を手で制する、その男。
主人公が再び口を開き、男に言います。
「(力比べの勝負をしたいのなら)もっと広い場所が要るんじゃないか?」
「でも、じゃアどこで?」と問う男。
ふたりは船の上だったのですが、そこで主人公がひと言。
「あそこに見える島に行こう!」
かくて主人公とその男は、船に備え付けた小舟に乗ってその島に行き、そこで勝負する...という事になりました。
けれども男が備え付けの小舟に乗り込むやいなや、主人公はさっさと、小舟を母船に結びつけた縄を解いてしまいます。
「何をするんだ!」男が驚きますが、後の祭り。男はひとり、小舟の上。主人公は見事に「戦わずして」男に勝ってしまいました。
ちょっと長くなりましたが、そんな笑えるシーンもありました。
勝負は身体の大きさや力だけで決まるものじゃない...という事を教える、大きなカマキリと小さなカマキリの賭け試合のシーンもありました。
主人公が正義の為にカッチョよく闘って敵に勝つ...というだけの、ただの典型的なヒーロー物語。
それじゃないんです。この映画。
深い精神性が、込められている。
僕が初めてブルース・リーという人に意識を向けたのも、この映画の中で教えられている哲学的な言葉を通してでした。
僕がまだ、高校生だった頃です。
クラスメートのひとりが、映画雑誌の付録だった...というソノシートを僕にくれました。
ソノシート?何、それ?ソノシートってどのシート(笑)?なんていう人の為にちょっと説明すると、ソノシートというのは薄っべらの小さなレコード盤の事です。
昔はいろんな雑誌の付録に時々ついてた。再生すると、いろんな音とか声とか音楽とかが聴けた。
で、僕がもらったソノシートには何が入っていたと思いますか?
それには、ブルース・リーの声が入っていた。「燃えよドラゴン」の映画のセリフから、抜粋して。
ソノシートにこの言葉が入っていた事は、今でも覚えています。
"It is like a finger pointing away to the moon. Don't concentrate on the finger, or you will miss all that heavenly glory."
それはネ、はるか彼方の月を指差している指みたいなものなんだ。
指にばかり気を取られていたら、大空に果てしなく輝く月や星の美しさが見えなくなってしまう。
(映画「燃えよドラゴン」より。日本語訳・セイブン)
この言葉は、少年とやりとりをする中で主人公が語った言葉です。
そしてこれも、ソノシートに入っていたかも知れません。
“When the opponent expand, I contract. When he contracts, I expand. And, when there is an opportunity, I do not hit - it hits all by itself.”
敵が動き回っているなら、自分はちぢこまる。敵がちぢこまったら、今度は自分が動く。そして攻撃のチャンスが来たら....ひとりでに撃つ。撃つのは自分ではない。
(映画「燃えよドラゴン」より。日本語訳・セイブン)
こちらは映画冒頭の、老師との会話の中から抜粋された言葉でした。
そして次にご紹介するこの言葉も、あるいはソノシートに入っていたんだったかな。
There is no opponent. Because the word “I” does not exist.
敵なんていない。「自分」という言葉がそこにないから。
(映画「燃えよドラゴン」より。日本語訳・セイブン)
これも又、老師との会話から。
その様に映画の中のセリフがいくつか入っていて、最後に「アチョー!ウアチャー!」という、ブルース・リー独自の有名な奇声で終わる。
そういうソノシートだったんですね。
それまでは単に、名前と顔ぐらいは知っている...というだけに過ぎなかったブルース・リー。
そのブルース・リーに、初めて僕の意識が向いたんです。
その、もらったソノシートを聴いて。
それでもまだ、そんなには彼に興味はありませんでした。
だいたいその時点では、ブルース・リーの映画をまだ全然観ていないんですからね。
じゃアいつ、初めて観たのか?というと、これが全く覚えていないんですよ。
マアその事は置いとくとして....。
すでに書いた様に、ソノシートでブルース・リー自身の肉声による彼の言葉を聴いたのが高校時代。
それからかなり年月が経って、僕はアメリカで生活していました。
今現在の妻とは、まだ結婚していないながらもすでに婚約をしていた...という様に記憶しています。
その彼女が、ある日僕にこんな事を言いました。
私の知っている人に、ブルース・リーが大好きな女性がいるの。
その彼女が、私にこう言うのよ。
ブルース・リーにそっくりの人が、この地域にいるという噂を聞く。だから是非、訪ねていって、その人に会いたい...って。
その「ブルース・リーにそっくりな人」って、誰の事だったと思いますか?
何と、僕の事だったんですよ!
どこがそっくりだ!エ(笑)?
東洋人自体、余り見かけない。そんな、アメリカのド田舎の地域。
だから、僕が東洋人だ...というだけで、「ブルース・リーにそっくり!」という事になってしまったのかも知れません。
日本人と中国人なら、人種的にもマア同じ様に見えただろうし。
さて、それからさらに年月が経って、かつては婚約者だった彼女は、僕の妻になっていました。
彼女にはおじさんがいて、ずっとメキシコに住んでいたのですが、病気で死んでしまっていました。
彼女がある時、このおじさんの事を話し始めました。
このおじさんが拳法の師範で、メキシコで道場をやっていた事。
教えていた拳法の流派は、ジー・クウォン・ドーであった事。
ジー・クウォン・ドーって、知ってますか?
漢字では「截拳道」と書きます。
ブルース・リーが生みの親となって編み出し、創立した流派です。
妻のおじさんが師範であった、そのメキシコの道場。
その正面の壁には、流派の創立者であるブルース・リーの写真が飾ってあった...と妻が教えてくれました。
妻自身がその道場の生徒で、師範のおじさんから教わっていました。
ちなみに妻は、拳法の黒帯です。
結婚してから初めてそんな事を明かすのは、絶対に反則です(笑)。
そんなオソロシイ事実を聞かされて真っ青になっても、もうすでに結婚しちゃってて後の祭り(笑)。
まあ、それは冗談ですが(妻が黒帯なのは冗談ではなく事実ですけど)....。
そのおじさんの事も多分あって、僕と妻はブルース・リーの映画を何度も一緒に観ました。
妻はブルース・リーの拳法それ自体はよく知っていましたが、その土台となっている精神性についてはよくわかっていませんでした。
それがわかっていたのは、僕でした。
映画雑誌付録の一枚のソノシートをもらってから、ブルース・リーの拳法流派の黒帯である妻と結婚するまで。
それはそれは、まことに長く、不思議な道のりでした。
ブルース・リーについては、多分あまり知られていない、大変に面白い話があります。
あの迫力に満ちた「アチョー!」
奇声を上げつつ、敵を撃ち倒す。
そのブルースからは、ちょっと想像できないかも知れませんが....
ブルース・リーって、ダンスのチャンピオンだったんです!
香港のコンテストで「チャ・チャ・チャ」を踊って優勝したんですよ。
でも確かに彼の拳法には、ダンスの様な動きとリズムがあります。
僕自身もダンスは大好きですから、それは見ていてわかります。
それにしても、ブルース・リーって不思議な人!何て不思議な人!
ただ強いだけじゃない。ただ深いだけじゃない。不思議な魅力がいっぱいの人。それがブルース。
ブルースと言えば、たった今思い出しました。ある友人の事を。
コロラドでしょっちゅう一緒につるんでいた友達なんですが、僕が何度自分の名前をちゃんと教えても、彼は知らん顔で僕の事を「ブルース」と呼んでいましたネ。
もちろん、ブルース・リーからです。
ところで話はガラリと変わりますが....
アメリカってやっぱり、保守的な白人達による人種差別の意識がある。
昔よりよくなったとは言え、それがいまだに強く、色濃くある国。
そんな中で、白人ではない中国人のブルース・リーも、差別と戦いながら強く生きていたと聞いています。
ジェイソン・スコット・リー主演の映画「ドラゴン - ブルース・リー・ストーリー」では、その人種差別と戦うブルース・リーの姿がありありと描き出されています。
(これも、いい映画です。観てネ)
時代は違っても、その同じアメリカに住んで、ブルースの受けた人種差別が僕にもよくわかります。
だからこそ、そのアメリカで強く雄々しく、ひとりの人間としての尊厳を持って生き抜いたブルース・リーは、僕にとって真のメンターであり、価値ある素晴らしい生き方のシンボルなのです。
という訳で、今日のメルマガの記事は、僕の大好きな「アニキ」ブルース・リーについてでした。
今日も最後まで読んで下さって、本当にありがとうございました。
それでは又、すぐに書きますね。
どうぞ、お元気でいて下さい。
さようなら。セイブンでした。
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