東郷さん、お元気でやっていましたか?こんにちは!セイブンです。
今日は、どんな話をお届けしましょうか....。今日はマア、「楽にいくらでも書けるテーマだから....」という理由で、ビートルズの事でも書きましょうか。
子供の頃の僕はそもそも、特に音楽的だとは誰にも思われていませんでしたし、自分でも思っていませんでした。
ただ、今になって思い出して見れば、大変に音楽的な傾向が密かにあった様ですが、僕自身も含めて当時は誰もそれに気づいていませんでした。
子供の頃の僕にとって、音楽と言えば、歌謡曲。好きな歌を繰り返し繰り返し歌って、うるさがられていましたが、それだけでした。
学校の音楽の授業に至っては、はっきりと嫌いでした。
そんな僕が、小学校の高学年になり、中学校に入学して、洋楽を多少聴く様になります。父親の買って来た、カーペンターズのLPを聴いたり、ラジオでビージーズの歌を聴いたりし始めます。
そんなある日、僕がベッドに横になっていると、初めて聴く歌が、つけっぱなしのラジオから流れて来ました。それが、ビートルズの「Hey Jude」でした。
数秒後、僕は自分を取り巻く周囲の空気が、その場ですっかり変わる....という体験をしました。大げさに言えば、全世界が目の前で変わったのです。
今だったら、「名曲に感動した」と言えばそれで表現できる体験であったのかも知れませんが、当時はまだ、音楽に感動する...という事自体、知りませんでした。
それがきっかけで、僕はビートルズの大ファンになりました。
断然好きだったのは、その「Hey Jude」を歌っている、ポール・マッカートニーです。僕自身と同じ、左利き。そして、音楽的に、ポールこそが明らかにビートルズの中心人物の様に感じられました。
主にラジオでビートルズの歌を聴いて、聴きながらそれをカセットテープに録音して又あとで聴く。その様にして、知っている歌がだんだん増えていきました。
毎日学校が終わると家に帰って、夜は毎晩、ビートルズの歌を聴く。そうやって生活していたある日、学校の同学年の仲間達が数人やって来ました。
そして言うのです。一緒にバンドをやらないか?一緒にビートルズの歌を歌い、演奏しないか?と。
僕は当時、「ちゃんと歌う」という事を全く知らなかったし、楽器も何もできませんでしたが、気持ちだけでも、自分自身がビートルズになったかの様な気分になれる、この魅力的なお誘いを受け入れました。
こうして、4人編成のバンドができ上がりました。ビートルズと同じ、4人です。
他の3人の担当は、はじめから決まっていて、友人1がベースギター、友人2がギター、友人3がドラムス・時々ピアノでした。
そしてこいつ(僕)にはシンガーになってもらおう....というのが、僕がバンドに誘われた理由でした。
歌うのはいいけれど、ビートルズには「歌だけ」というメンバーはいないじゃないか。歌だけでなく、楽器も演りたい。そして、ビートルズの誰かになった気分を味わいたい。
そう思った僕でした。歌とギターで、バンドで演れたなら、モロにビートルズみたいで、最高だ!
とも思ったのですが、当時の僕には、ギターを買うお金などはありません。チェッ。じゃア、歌だけか....。サエないなア.....。
そんな事を考えていた僕が、どう話が転じてか、ハーモニカを吹く事になりました。
ビートルズというのは、はじめの頃だけなのですが、ジョン・レノンが、多くの曲の中でハーモニカを吹いていました。
で、僕も、歌いながらハーモニカを吹いて、仲間達と一緒に、Please Please Meというビートルズ初期の曲を練習し始めました。
ハーモニカを吹く為にこの曲を取り上げたのか。それともこの曲を取り上げたからハーモニカを始めたのか。
それは記憶にありませんが、同じ学校の仲間達をたくさん集めて開いたコンサートでも、この歌を歌い、ハーモニカを吹きました。
ちなみに、僕はその後もずっと音楽人生を歩みながら、徐々にギターもベースもピアノも弾く様になるのですが、面白いのは、今現在も演っているのはハーモニカだけだ....という事です。ほんのついでに始めただけのはずだったのに。
ビートルズが大好き、ポールが大好きで、仲間とバンドでビートルズの曲を演って幸せに過ごしていた僕でしたが、家の都合で、思いがけずイギリスに住む事になります。
イギリスと言えば、もちろん、ビートルズの出身国。けれども、これ又もちろん、ビートルズが大活躍した時代はとっくに終わっていて、当時のイギリスは「パンクロック」という新しい動きが、音楽の世界で渦巻いていました。
その、当時のイギリスで盛り上がっていた音楽も僕は大好きになりましたが、それ以前からずっと変わらず好きなビートルズについて、相変わらず大好きではあっても、大きな変化がありました。
イギリスだから、当然、使われている言葉は、英語。そのイギリスに住んで、英語がある程度わかる様になると、それまで「ポール大好き」の一点張りだった僕が、今度は「ジョン大好き」になりました。
この話をしようとすると、僕は胸にグッと来て、感動で涙腺がゆるみます。
英語がわかる様になってはじめてわかった、ジョン・レノンの書く言葉の、何と深遠で繊細な事。
抵抗なくスーッと心にすべり込んで来て、心の奥の一番深い、個人的な情感を、優しくなでる。
泣くな!という方が無理です。
中でも感動するのが、“There is no one compares with you”という一節。「君に例えられる人なんか、誰もいない」という言葉。
今書いていて、もう半泣きです。
「あなたは特別な人だ」という事を伝えるのに、こんな言い方があるんですね。君に比べられる人なんて、誰もいない....。なんて、繊細な言葉。
それから何十年も経って、当時からは思いがけず、僕はアメリカにもう20年近くも住んでいます。
でも、ビートルズはずっと大好きです。どこに住んでいても、その事だけは変わりません。
カリフォルニア州のサンディエゴに住んでいるのですが、こちらでは、何とポール・マッカートニーのコンサートにも行けて、その大感動は今も心によみがえります。
ビートルズ。ずっと大好きです。
今日は、ビートルズについての記事を、お届けしました。
東郷さんご自身も、ビートルズが大好きで、たっぷりとお楽しみ頂けたかと思います。
じゃあ、又書きますね。
東郷さん、それまでどうぞお元気で。すぐに又、書きますからね。
コメントフォーム